Call me

Call me

NovelbrightNovelbright
作詞:竹中雄大 作曲:竹中雄大・山田海斗
歌詞考察2026.03.02

Call me【Novelbright】歌詞の意味を考察!”不完全な僕ら”が手を伸ばし合う友情の賛歌

「後悔のない道なんてないもんさ」と、冒頭から胸に刺さるフレーズで幕を開けるNovelbrightの「Call me」。2025年9月1日に配信リリースされた本楽曲は、KOBELCO(神戸製鋼所)創立120周年記念アニメーション『あしたのありか』の主題歌として書き下ろされた一曲です。

ボーカル・竹中雄大の圧倒的なハイトーンボイスと、オーディエンスと共に歌えるサビの高揚感が印象的な本楽曲。後悔や不安を抱えながらも、仲間と共に前を向いて進もうとするメッセージが、聴く者の背中をそっと押してくれます。今回は、この楽曲に込められたメッセージを歌詞から紐解いていきます。

アーティスト・楽曲情報

Novelbright(ノーベルブライト)は、2013年に大阪で結成された5人組ロックバンドです。バンド名には「新たな輝き」という意味が込められており、竹中雄大(Vo)、山田海斗(G)、沖聡次郎(G)、圭吾(B)、ねぎ(Dr)の5人で活動しています。2019年に全国路上ライブツアーの様子がSNSで拡散されたことをきっかけに知名度が急上昇し、2020年にユニバーサルミュージックからメジャーデビュー。「Walking with you」「ツキミソウ」「愛とか恋とか」などのヒット曲を生み出し、ストリーミング総再生回数は20億回を突破しています。

「Call me」は、竹中雄大が作詞、竹中雄大と山田海斗が作曲を手がけ、Novelbrightが編曲を担当。2025年8月17日に神戸ワールド記念ホールで行われたアリーナツアーファイナルで初披露されました。竹中雄大は本楽曲について「僕らがみなさんを励まそうという明るい楽曲に仕上がりました。サビ部分をみなさんが一緒に歌ってくれて僕たちもパワーと勇気とエネルギーをもらいました」とコメントしています。なお、今回の楽曲提供は竹中雄大が兵庫県姫路市出身、ねぎが三田市出身と、KOBELCOの本拠地・兵庫県にゆかりがあったことから実現しました。

タイアップ作品『あしたのありか』は、KOBELCOで営業として働く若手社員・明日実(声:奈緒)が仕事への無力感を覚えていたとき、社史に導かれて1905年の神戸へタイムスリップし、明治時代の青年・トラスケ(声:濱田岳)と出会うという物語。苦難を乗り越え、未来を信じて挑戦を続ける人々の姿を描いた作品であり、「Call me」の歌詞のテーマと深く呼応しています。

考察①:「後悔のない道なんてないもんさ」が示す不完全さを受け入れる覚悟

後悔のない道なんてないもんさ
「忘れさせてくれ」 君は叫んでいた
張り詰めた視界は 息が詰まりそうなくらい

楽曲は「後悔のない道なんてないもんさ」という、どこか達観した一行から始まります。これは安易な励ましではなく、人生には必ず後悔がつきものだという現実をまず認めた上での言葉ではないでしょうか。完璧な選択など存在しないという前提に立つことで、逆説的に聴き手の肩の荷を下ろしてくれるのです。

続く「忘れさせてくれ」と叫ぶ「君」の姿は、過去の失敗や後悔に苛まれ、その記憶から逃れたいともがいている人物像を浮かび上がらせます。「張り詰めた視界」「息が詰まりそう」という身体感覚的な表現が、精神的な追い詰められ方をリアルに伝えています。ここでの「君」は特定の誰かというよりも、日々の生活の中で行き詰まりを感じているすべての人を象徴していると考えられます。

考察②:「僕が救い上げるから」に込められた差し伸べる手の覚悟

孤独に溺れた時は 僕が救い上げるから

Aメロの締めくくりに置かれたこのフレーズは、楽曲全体を貫く「寄り添いの精神」を端的に表しています。「孤独に溺れた」という表現は、孤独を水に喩えたメタファーであり、その深みにはまって身動きが取れなくなった状態を描写しています。そこに「僕が救い上げるから」と断言する語り手の姿勢は、ただの同情ではなく、実際に手を差し伸べるという行動の約束です。

注目すべきは、ここで語り手が「元気を出して」「大丈夫だよ」といった軽い励ましではなく、「救い上げる」という能動的で力強い言葉を選んでいる点です。孤独という深い水の底から物理的に引き上げるイメージには、困難の深刻さを軽んじることなく、それでも共にいるという覚悟が込められているのではないでしょうか。タイアップ作品『あしたのありか』で、過去の人々の挑戦に触れて明日実が前を向いていく展開とも重なります。

考察③:「街は今不安定でも 確かめよう僕らで見るもの」が描く共に見据える未来

街は今不安定でも 確かめよう僕らで見るもの

Bメロに当たるこの一節は、個人の悩みからスケールを広げ、社会全体の不安定さにまで視野を拡大しています。「街は今不安定でも」というフレーズは、日々変化し先行きの見えない現代社会そのものを指し示しているのではないでしょうか。

しかし、この歌詞の真髄は後半の「確かめよう僕らで見るもの」にあります。不安定な状況を変えることはできなくても、自分たちの目で見て、自分たちで確かめることはできる。そんなメッセージが込められていると考えられます。「僕ら」という複数形が示すのは、一人ではなく仲間と共に世界を見つめるという連帯感です。不確実な時代だからこそ、隣にいる人と一緒に未来を見つめようという呼びかけは、多くの人の共感を呼ぶのではないでしょうか。

考察④:「さぁ明日はどうだいCall me」というタイトルに込められた真意

さぁ明日はどうだいCall me 逃げちゃいないよWeekend
泣き出しそうなBest Friend なら涙枯れるまで歌い明かそう

サビで繰り返される「Call me」は、直訳すれば「電話して」「呼んで」という意味ですが、この文脈ではもっと深い意味を持っていると解釈できます。「さぁ明日はどうだい」と明日の予定を尋ねるように語りかけた後の「Call me」は、「いつでも連絡してきて」「いつでも僕を呼んでくれ」という、常に寄り添う姿勢の表明です。

「逃げちゃいないよWeekend」という表現も興味深い一節です。「Weekend(週末)」を人格化したかのような語り口は、休息の時間は必ずやってくる、辛い日々にも終わりがあるということを暗示しているのかもしれません。また、「泣き出しそうなBest Friend」という言葉が示すように、この楽曲は恋愛ではなく友情をテーマにしています。涙が枯れるまで一緒に歌い明かすという行為は、悲しみを忘れさせるのではなく、悲しみに寄り添いながらも前を向く力を共有するということではないでしょうか。

考察⑤:「最後の結末を知らなくたっていい」という未来の不確実性を受け入れる力

Wo Wo Wo 最後の結末 Wo Wo Wo Tell me, Tell me
Wo Wo Wo 知らなくたっていい
明後日は何が見えるかな

サビの後半で展開されるこのパートは、本楽曲の哲学的な深みを象徴しています。「最後の結末」を「Tell me(教えて)」と問いかけながらも、直後に「知らなくたっていい」と答えを自ら手放す構造は、非常に示唆的です。

人は不安なとき、未来の見通しを求めがちです。しかし、この歌詞は「結末がわからなくても、それでいい」という潔い姿勢を提示しています。大切なのは最終的な結果を知ることではなく、今この瞬間を仲間と共に過ごすことだという価値観が読み取れます。「明後日は何が見えるかな」という問いかけには、未来を恐れるのではなく、まだ見ぬ景色への好奇心と期待が込められていると感じられます。これはKOBELCOの120年の歴史、先の見えない時代にも挑戦を続けた人々の姿とも通じるメッセージです。

考察⑥:「後退のない道を目指そうと」に見る”後悔”と”後退”の対比

後退のない道を目指そうと
掴んでは消えて それでも追いかけるから
今はまだ不完全でも 未来が笑って迎えに来るから

2番のこのパートでは、1番の冒頭「後悔のない道なんてないもんさ」と巧みな対比が生まれています。1番では「後悔」のない道は存在しないと認めましたが、2番では「後退」のない道を目指そうという決意が語られます。つまり、後悔することがあっても立ち止まらない、前に進み続けるという意志の表明です。

「掴んでは消えて それでも追いかけるから」という表現は、夢や希望が何度も手からすり抜けていく経験を描いていますが、それでも追いかけ続けるという不屈の精神が感じられます。そして「今はまだ不完全でも 未来が笑って迎えに来るから」という一節は、不完全な今の自分を否定するのではなく、未来への信頼を持つことの大切さを伝えています。「未来が笑って迎えに来る」という擬人化された未来像は、まるで友人が玄関先で手を振って待ってくれているような温かさを感じさせます。

独自の視点:ラスサビに刻まれた感情の円環構造

本楽曲の最も注目すべきポイントの一つは、ラスサビにおける微妙な歌詞の変化です。サビは3回繰り返されますが、その度に「涙枯れるまで」に続く言葉が変わっていきます。

1回目は「歌い明かそう」、2回目は「笑い明かそう」、そして3回目は「叫ぼう」。最後にもう一度「歌い明かそう」に戻ります。この変化は、感情の段階的な高まりを表現していると考えられます。まず歌うことで気持ちを表現し、次に笑うことで悲しみを超え、さらに叫ぶことで感情を解放する。そして最終的に「歌う」ことに回帰する構造は、音楽の持つ癒しの力を象徴しているのではないでしょうか。

また、MVが「電波」をテーマに制作されていることも注目に値します。大切な人と連絡が取れるスマートフォンに必要な「電波」を守るためにメンバーが奔走するストーリーは、楽曲の「いつでも繋がっている」というメッセージをユーモラスに映像化したものであり、Novelbrightらしい遊び心が光ります。

まとめ

「Call me」は、不完全な自分を受け入れながらも仲間と共に前へ進む勇気を歌った楽曲です。後悔を恐れるのではなく認め、結末がわからなくても歩み続ける。その姿勢こそが、この楽曲の核心にあるメッセージではないでしょうか。

竹中雄大が「みなさんを励まそうという明るい楽曲」と語る通り、歌詞全体を通して感じられるのは、深い共感と温かな連帯感です。「孤独に溺れた時は僕が救い上げるから」という約束は、聴く者の心に静かに、しかし確かに響きます。

辛い時、先が見えない時、ぜひこの楽曲を聴いてみてください。誰かに「Call me」と言える関係性があることの尊さ、そして「不完全でも大丈夫」という肯定のメッセージが、きっとあなたの明日を少しだけ明るくしてくれるはずです。Novelbrightの音楽がこれからも多くの人にとっての「新たな輝き」であり続けることを願っています。

楽曲情報

  • 曲名:Call me
  • アーティスト:Novelbright
  • 作詞:竹中雄大
  • 作曲:竹中雄大・山田海斗
  • 編曲:Novelbright
  • リリース日:2025年9月1日
  • 収録作品:配信シングル
  • タイアップ:KOBELCO創立120周年記念アニメーション『あしたのありか』主題歌